私の仕事は、個人客の方から百貨店、ブランド店そして同業者から、洋服のサイズ直しの補正や、洋服の修理補正をさせて頂いております。
洋服の補正を始めたきっかけは、私が小学生幼少期の頃。当時私は母子家庭で、母から与えられる洋服は、姉のお下がりの洋服でした。
当時子供ながらに、“うちにはお金がないからわがままが言えない。”と思いました。でもお下がりの洋服を着て学校に行くのはとても嫌で、同級生からも“お下がりの洋服ばかりを着ている貧しい子”という目で見られている様で、とても惨めな思いをしたのを今でもよく覚えています。

私の母は趣味で編み物をし、おばあちゃんは和裁士という環境で育ったので、自然とお下がりの洋服を分解して全く違う洋服に作ったり、ボタンを取り替えてみたりと、お金がないからこそ、工夫と知恵が生まれ、今ある洋服を新たな洋服に作り替えるという発想が生まれました。
今の時代、ファストファッション(fast fashion)高品質な洋服がとても安くで購入できますが、買ってしまえばそれまでの事。
大事な家族が着ていた洋服を譲り受けて、手間暇かけて補正し自分自身が新たに着れるようにすれば世代を超えてその洋服を着る事が出来ます。
自分のセンスと技術を武器に、持ち主にとってかけがえのない価値を持つ洋服と向き合い、人から人へ大事な想いを伝え、その洋服に新たな命を吹き込む事お手伝いが出来る事に、自信と誇りを持って、今日も洋服と向き合います。

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Written by 健太 健太